映画『ゼニガタ』〜『ここ』でしか生きられない人達の物語〜

映画『ゼニガタ』、やっっっっっっっっっと公開になりましたね!私の永遠の推しである小林且弥さんが準主役(!!)ということで数ヶ月間ワクワクしながら公開を待っておりました。


いやねぇ…‥…大谷亮平さんの弟役(チェイスに出てた2人だ!諸々あって、続編を撮影はしたものの多分流れた?感じでわたしは悔しくてたまりません)ということでもう最高越えてるし、暴力的なサイコパス役で最高突き抜けてますし、お札(諭吉)にまみれて虚ろな表情で横たわっている場面写真でトキメキの致死量摂取でした。


この数カ月、公開するまでも本当に楽しませていただきました。綾部監督には足を向けて寝れないです。舞台挨拶行けてよかったよー…!







本作のストーリーとしてはこんな感じ。公式HPより。
錆びついた漁船が停泊するひなびた漁港。路地裏の一角でひっそり営む居酒屋「銭形」。店主は銭形兄弟の富男(大谷亮平)と静香(小林且弥)。表向きは居酒屋だが、深夜0時から闇金「ゼニガタ」に変わる。トサン(10日で3割)という違法な高金利で金を貸し苛烈な取立てで債務者を追い込むのが銭形兄弟のスタイル。ある日、ボクサー崩れの男・八雲(田中俊介)が「銭形」に入れてくれと申し出てきて…。

兄弟モノ×バイオレンス闇金ピカレスクムービー…ヒュー!!!最高超えてるぜ!!!!!









…以下ネタバレ含む感想です。ご注意くださいませ。




闇金ムービーということもあり、登場人物、みんなお金にまみれています。


  狭いコミュニティの中の見えない競争にドロップアウトしないために必死な珠。

  自分より立場が弱い人間から暴力で搾取しつづけ、また搾取され続ける樺山。

  幼少期のトラウマもあり、本能的に金を求めてやまない静香。

  銭形という全ての歯車の中心で動き続けなければならない富男。



登場人物みんな、お金を通して様々なものに縛られてるんですよね。

自分の所属するコミュニティだったり、自分の虚栄心だったり、はたまた兄弟の生い立ちだったり。お金というものは、他のどんなツールよりも、その人の生き様を残酷なまでに浮き彫りにします。何かに縛り付けられ、ここでしか生きることのできない人たちの物語。

うーん。たまたまその発露がお金だっただけで、珠や樺山の心情というものはフツーに生きている私達にも通ずるものがあるんですよね。一見、この作品は突飛な話のように思えるけれど、根底に描かれてるものは社会生活における避けては通れない普遍的な悩みなんですよ。

だから、役者の皆様の熱演も相まって(特に玉城裕規の小物感が最高に良い。そういう経験あるんです?ってぐらい)、どこかおとぎ話のようなこのストーリーにしっかりとリアリティが宿っているのだと思います。

ただのバイオレンスなムービーではない、人間同士の繋がりからくる人間の弱さを描いた良作です。








いやー………しかし………銭形静香がヤバイ。(いい意味で)

以下2つの公式からの動画をご覧頂きたいのですが。




…どこからどう見ても怪演としか言いようがないでしょこれはー!




完璧に銭形静香の器に入った小林且弥を見てアドレナリン出まくりでした。

映画館、暗くてよかったよ。最初のボコボコにされて恍惚の表情を浮かべているシーンでわたしの口元がだばだばにニヤけてるの周りに見られなくて本当によかったよ。



無慈悲なまでの暴力性だったり。そこはかとない色気だったり。心の底に秘めた激情だったり。はたまた無邪気な笑顔だったり。いろんな顔の銭形静香を見事に演じきってるんですよ。正直意味の得体の知れない役どころじゃないですか。銭形静香って。それをちゃんと人間ぽく演じてるんですよね。

道路標識引っこ抜いてぶん投げちゃう静香だって、ボッコボコにされて血まみれになって顔がいってる静香だって人間だしちゃんと喜怒哀楽の哀の部分だってあるし、自分とそのアイデンティティの間で悩み抜くし、ただの金好きサイコパスじゃねえぞっていう。役に深みをもたせていて、そこにどうしようもなくわたしは惹きつけられるのです。また新しい小林且弥が見れて気分は最高ですね。


もうね〜〜〜このゼニガタ、ビギナーに履修してほしい小林且弥のエッセンスが詰まってる作品なので是非16歳以上の皆様には一度ご覧頂きたい作品ですね。

あっ!2回でも3回でも全然大丈夫ですよ!(^o^)

あとあのスーツと柄物のシャツを着こなせるのもセールスポイントですね。カッコいいんだなァあれが…わたしは最後のシーンの腕まくり柄シャツが好みですね…みんな大きく開いた襟元から垣間見える肌の白さと男性性を帯びたラインにやられればいいんだ…





(私は、銭形兄弟の関係性を決定づけた、あのアーケードでのシーン大好きです。

静香からほとばしる熱で富男の瞳が揺れたあのシーン、大好きです。)





まあね!




兎にも角にも!!






みなさんどうか!!!どうか劇場へ!!!







…シネマート新宿にはキャストのサイン入りポスターあるってよ!(わたしは行けてない)

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